小樽市ボランティア・市民活動センター

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〜災害Q&A 46〜

○第2章 市民のきずな  
11. 要援護者

Q46.要援護者を援護する上でどのような課題がありますか?

A.一人暮らしで障がいのある人や高齢者、日本語を解さない外国人は災害が発生すると瞬時に情報弱者となってしまいます。近隣のサポートがなければ情報を得る手だてがありません。

 なかでもサポートが薄手になりがちなのが聴覚障がいのある人たちです。見た目では障がいの有無がわかりにくいため、気づかれないことがあるからです。そのため、聴覚障がいのある人伝わっていると思っていても、実際には伝わっていないことがあります。聴覚障がいのある人に対してFAX連絡も、電気が通じなければ送信できません。災害時における緊急放送も聴覚障がいのある人には対応できませんし、日ごろの防災訓練などの関しても、聴覚障がいのある人までフォローができていないのが現状です。災害時にはコミュニケーションできる手話通訳者を被災地に派遣することが必要で実際、新潟中越地震では全国から多数の手話通訳者が派遣されました。

 また、民生委員だけが要援護者の情報を持っていても、民生委員自身が被災することも考えられます。地域の福祉コミュニティなどの団体で名簿を管理する場合、プライバシー保護の観点から情報が得られないといった課題もあります。地域で連携して、要援護者をサポートする仕組み作りが不可欠といえます。

 日ごろから要援護者の居場所などを把握することが大切ですが、プライバシーが問題になって現実には難しいものです。しかし、災害時には命の大切さがプライバシーに勝ると思われます。障がいのある人に対する社会の理解がより深まり、プライバシー保護との調整ができたときこそ、本当の地域主体のサポート体制が確立されるのではないでしょうか。地域のふれあいセンターや集会所に、高齢者だけでなく、障がいのある人も日ごろから出入りし地域の人と交流できるようにすべきです。そのためには、入りづらい雰囲気にならないよう、誰でも入れるオープンな運営を心がけましょう。


《体験》
 「弁当配給のお知らせも何もかもが掲示板で伝えられたので、十分に情報をつかめませんでした。スピーカーで伝えてほしかった。」(視覚障がいのある人)

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