2006年12月19日
〜災害Q&A 44〜
○第2章 市民のきずな
10. 心のケア
Q44.心のケアを必要とする被災者には、どのように接すればいいですか?
A.話すことができるようになった人はまだいいという声を聞きますが、話すことができないのは、「わかってもらえない」という気持ちが強いからだと思われます。「苦しみ悩んでいるのは、あなた一人ではない。みんな一緒ですよ」と言って、被災した人の話を聞くのは重要です。「がんばりましょう」と声をかけるのではなく、相手の話に共感し、自分も話すことが大きな癒しになります。
心の復興と生活の復興は車の車輪にたとえられ、どちらか一方のケアだけでは解決しない場合が多いようです。心の復興は一人一人違います。家族、友達の支えが何よりも大切です。
《体験》
「人のやさしさ、思いやりが受け容れられず、死を考える日が続きました。友達が家を建てたと聞くと、自分だけが取り残されたという思いで素直に『おめでとう、よかったね』と言えませんでした。そんな自分が嫌で苦しみました。『命が助かって何より』『それで十分』と、自分でもわかっているはずなのに、『やっぱり私の気持ちは誰にも理解してもらえない』という思いで、閉じこもってしまう。そんな私を両親や妹たちは理解できなかったそうです。」
◎ひとことメッセージ
・まず相手の話をじっくり聞く それが心のケアの第一歩
・音楽や花、ペットは心を癒す力が大
・家族や友人の支えこそが何より大切
・悩みを誰かに語ることから解決に向かう