2006年10月03日
〜災害Q&A 35〜
○第1章 震災の経験
8. 仮設住宅
Q35.仮設住宅の生活にはどのような問題がありましたか。
A.仮設住宅へ入居する際、高齢者、障害のある人などが優先されたため、住み慣れた土地から離れ、地域の人とも離ればなれになり地域のコミュニティが崩れました。一人暮らしの高齢者にとってはテレビを見るだけの生活、アルコール依存症がPTSD(※)、孤独死につながり、社会問題となりました。
また、仮設住宅はバリアフリー仕様ではないため、高齢者や障がいのある人にとって住みやすいものではなく、車いす利用の一人暮らしでは、当初の仮設住宅ではなかなか生活できませんでした。仮設住宅を物置がわりに使っている人もいたようです。不便な場所に建設された仮設住宅に入所せざるを得ない被災者は通勤通学に苦労しました。
仮設住宅での生活から先が見えない不安が被災者を襲いました。さらに仮設住宅から復興住宅へ移り住むと、再び隣近所が変わり、地域のコミュニティも新たに作り直さなければなりませんでした。
(※)PTSD:Post-traumatic stress disorders
心的外傷後ストレス障害。地震・火災・交通事故などの強いストレスの後に起きる心的障害。